東京下町散歩
岡山から地元東京に引っ越して2日。だいたい片付いた。
独り身の引越しは楽だ。荷物は少ないし、片付けきらないのを理由に家事をサボっても誰も何も言わない。
あとは役所やなんかに住所変更の届けを出したりすれば終わりなんだけど、ちょうど3連休でどこもやってない。よって用事は全部週明けにまわして、周辺の散策をして過ごしている。
新しい住まいは東京下町の住宅地で、やたらとねこがいる。大抵逃げられるので妙な写真しか撮れない。
一方で玄関先の餌場でのんきにカリカリを食べてるのもいたりする。
しゃがんで写真を撮っていたら、家主のご婦人が出てきた。
自宅前にねこと一緒になって人間がしゃがみこんでいたら警戒しても良さそうなものだけど、わたしをちらと見てあらどうも、なんて言って、あとはねこに構っていた。ねこものんきなら人間ものんきだ。わたしもしゃがんだままどうもと適当に返して、構われるねこを見ていた。
駅前は昔ながらのお惣菜屋や飲み屋が並んでいる。そのなかのひとつでひじきの煮たのと小松菜のナムルを買った。安くておいしい。
右上のモザイクは店員さんを隠している。20代中頃の素朴に可愛らしいお嬢さんで、モザイクをかけるのがもったいないと思うほどに素敵な満面の笑みで写っておられる。
自分が何もかもやり終えてあとは死を待つのみという爺いだったら、このお嬢さん目当てに毎日通うと思う。
他にも肉屋や魚屋があって、それぞれに手作りのお惣菜を売っているし、古い定食屋や中華料理屋もある。早くも自炊を諦める予感がする。
住宅地を縫うように歩くと、人の話し声や室内から漏れるテレビの音、子供の遊ぶ声、犬の鳴き声、いろんな音が聞こえる。
すれ違うのは乳児を乗せたママチャリ、井戸端会議のお婆さん方、散歩しているお爺さんと老犬。たまにロードバイク。
平和でいいなー。
街の穏やかさとすこんと晴れた天気とが相まって、歩きながら眠くなる。
ちなみにこの記事は小さい公園のベンチに座って書いている。
広場の方では子供たちが遊んでいて、彼らにしちゃすみのベンチでひとりスマホをいじり続けているわたしは得体が知れないだろうと思うのだけど、そういえばわたしが子供のときもいたなあ、公園でぼーっとしてる大人。将棋を指してるのもいた。顔なじみになると、たまにイチゴミルクの飴をくれたりした。もう「そっち側」に成ってしまった。
新しい現場での仕事が始まれば多少気が張るだろうとは思うんだけど、良いんだか悪いんだかもう少し休みがあるので、それなりにゆるく過ごそうと思います。
じゃね〜