雑文集

遊動民の日記。東京→札幌→博多→岡山→東京(イマココ)

メンズエステでバイトしてたときの話。

 

札幌でメンズエステのバイトしていたことがあります。今回はその話をします。

 

ここでいうメンズエステというのは、密室で男性客とふたりきり、男性はちいさい紙パンツ一枚になってマットレスに横になり、そこへ女の子がねっとりぬるぬると全身にオイルマッサージを施すあれですね。

 

経営方法はいろいろあるんでしょうけど、うちはアパートの一室を借りてました。

内装はシンプルなプライベートサロンという感じで、フローリングの床にラグを敷いてマットレスを置いて、肌触りのいい大きなタオルを敷いて、そこで施術するスタイル。

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こんな感じ。イメージ図ね。

 

従事する女性の方は露出度高めだったりコスプレ衣装だったりして、その上密室にふたりきりですからね、まあ極めてグレーな業態ですね。

 

 

わたしは体型がてんでだめなので、普通にワンピースとかでやってました。

当時の写真探したけどふざけた自撮りしか出てこなかった。


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何?

 

 

 

 

 

わたしがバイトを始めたのは、2018年5月、札幌。

当時職場と自宅の往復しかしない廃人と化していたわたしに、ある日友達から LINE がきました。

最近どう〜?みたいな他愛もないもの。色々あってメンタルを壊していたわたしは、「仕事以外は自宅でずっと寝ている」と素直に返しました。

 

そしたらその友達が、どうせ寝てるならウチで寝ないかというんですね。なんのこっちゃと詳しく聞くと、メンズエステの経営を始めたものの女の子が足りなくて、手伝いに来て欲しいとのこと。

お客がきたときだけマッサージをして、暇なときはサロンのマットで寝てて良いし、俺とおしゃべりしてても良いと。

 

ふむ。

外に出る良いきっかけになって、いつもとは違う環境に身を置けて、友達としゃべりながら綺麗なサロンでごろごろできて、あわよくばお金が入る。グレーな業態であることはもちろん知っていたけど、友達がオーナーなら大丈夫だろう。

 

テレビもない自宅のワンルームでひとりで寝転がってるよりは何百倍もましだと思って、引き受けました。

 

 

で、数日後にさっそく講習を受けた。といっても講習相手は友達(以下オーナー)の知人で、こんな感じにやって、こんなことしとけば男は喜ぶから!お客さんも教えてくれるし慣れればうまくなるよ!くらいなもんで終わった。雑〜。

 

そのときに源氏名をつけてもらった。

わたしは「夏帆ちゃん」になりました。

 

 

 

で、正式に入店。

わたしが店に出るときは、いつもオーナーが自分の出勤ついでに車で迎えにきてくれた。お客さんくるまではサロンでふたりだらだら喋ったりご飯食べたりテレビ見たりしてた。のんきなもんですね。

 

待機中、ふたりでサロンのマットに寝転がりながら、オーナーが♡新人セラピスト♡夏帆ちゃん♡とHPに宣伝記事を書いているのを見た。

「清楚でにこにこ明るい夏帆ちゃんに、心も身体も癒されちゃってください♡」

…わたしのことを知っておいて、よく書けたもんだ。

 

お客さんから来店の電話が入ると、オーナーはあとよろしく〜って部屋を出て行く。同じアパート内に別の部屋を借りてて、そこにいたり、ドライブに出かけたりしてたっぽい。

 

残されたわたしは、部屋を整えてヒーリングミュージックをかけて待機。お客さんくるとわかってから実際くるまでのこの時間が一番緊張するのよね…

 

お客さんが到着してチャイムが鳴ったら、笑顔でお出迎え。お客さんのための笑顔でもあるし、自分の緊張を断ち切るための笑顔でもある。

室内に招き入れて、まずはアイスブレイクにちょっとおしゃべりする。それからシャワーを浴びてもらって、紙パンツ1枚になって出てきたお客さんをマットレスに寝かせて、あとは講習で教わった通り、右足に何分、左足に何分、背中に何分とあらかじめ決めた時間を意識しながら、ゆっくりゆっくりフェザータッチでオイルマッサージをしていく。

挙動がゆっくりなのは、リラックス効果を高めるため、それっぽい雰囲気を出すためというのもあるだろうけど、正直時間稼ぎですね。

メンズエステの大トリは「鼠蹊部(そけいぶ)」で、つまり脚の付け根というかモノのキワのとこのマッサージ。

全身をさわさわぬるぬる焦らしに焦らして、最後の5分くらいで、ついに…!という感じで鼠蹊部のマッサージをやるのですが、あくまでもキワのマッサージしかしないのであんまり時間を費やせない。

よって、そこに早くたどり着いてしまうと時間が余って、その先の行為を求められてしまうんですね。そうなると面倒なので、時間配分はかなり考えてやっていた。

 

一番人気だったコースが90分で、10000円。それをオーナーと半分こして、わたしに入るのは5000円。これが安いんだか高いんだかはよくわからない。他の店知らんし。

 

 

お客さんにはいろんな人がいて面白かった。

印象に残っているお客さんのことを書いてみましょうか。

 

 

陰キャを極めし者さん

皺の寄ったグレーのスーツに黒いリュック、まゆは伸び放題でひげは剃った跡が青く残っている地味顔さん。でもなぜか胸下までのばしたまっ長い黒髪をうしろでひとつに結んでいる。こだわり?

おどおどしていて、腰が低くて伏し目がち。陰キャオーラをずっしりまとってた。なんだかあんまり愛されてこなかった人なんだろうと一目見て思った。

恋人のような振る舞いで優しく施術したら、「こんな可愛い子にこんなことしてもらえるなんて…」という大層なお言葉をいただいてしまった。

しつこいようですがおれは外見はてんでだめなんですね。

そんなおれにちょっと優しくされただけでそこまで言ってしまうなんて、今までの境遇を想わずにはいられませんでした。

幸せになってほしい。

この方からは何回かご指名をいただきました。指名料は1000円で、これはまるごとわたしに入る。あざっす。

 

 

②社長さん

何か工業機器の会社を経営している60代くらいの穏やかな方。わたしのことを当然のように夏帆ちゃんって呼ぶんですね。遊び慣れてる人だなと思った。

結構本名聞かれるのよ。源氏名ある職種の人に本名聞くのマナー違反だからやめようね。

社長さんは、メンズエステでたっぷり乳首責めされて、ボルテージを上げに上げて、それからすすきののオキニ風俗嬢のとこに行くのが鉄板コースらしい。とことん遊び慣れてますね。目的に合わせて遊ぶ場所を変える遊び人の鑑。男性諸君、見習ってください。

 

③煮卵

道東の港で漁船に乗る50代くらいの漁師さんで、全身綺麗に黒く焼けている。尻も黒い。日サロで焼いてたのかな。

この方は四つん這いになって尻を高く掲げ、オイルで尻を撫で回されるのがお好みでした。照れもせず全力で喘ぐ。

こちらは大声の喘ぎ声を聴きながらオイルで黒光りする尻を無心で撫で回し続けるんですけど、いつも「黒ギャルか煮卵か…」という例の画像を思い出していましたね。

 

 

↓どれが黒ギャルの尻で、どれが煮卵か?

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↓答え

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いやまあ、わたしの目の前でつやつやと黒く光るのは漁師の尻なんですけど。

 

 

明るくて、いつも楽しんで会話をしてくれるとても良い人でした。

 

 

 

 

*****

 

本業で道外に異動することになって、店はやめちゃいました。半年もいなかったかな。

 

 

こういうグレーな業態もまじの風俗も、結局は人間同士のコミュニケーションありきなので、サービスする方も受ける方も、みなさん楽しくやりましょうね。

 

 

 

 

ということで、夏帆ちゃんのメンズエステ体験記でした。

 

またね!

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