400円でバレる精神的な貧しさと、たった今もらった入籍報告。
毎日暑い。
暑くて暑くて、居るだけで体力は奪われるし、思考も止まる。
直近の夏を2回も北海道で過ごしてしまっているからどこに行っても暑くて辛かろうと覚悟していたけど、案の定暑い。
それでも、子供のときに感じていた暑くて居てもたってもいられないみたいな気持ちはなくなった。
痩せたからなのか(見事な肥満児だった)、歳を重ねて体温の調節がうまくなったのか、あるいは退化として温度感受性の閾値が上がったのか、そこらへんはわからない。
変わらないのは、どこにいてもいくつになっても、一貫して、夏は梅雨入りから残暑まで全部込み込みで2週間くらいで良いよ〜ってずっと思ってるということ。
青い空に浮かぶ入道雲をみて、公園の噴水ではしゃぐ子供たちとそれに付き合う若いママのきゃっきゃを木陰のベンチから眺めて、できることなら1回くらい懇意の異性とふたりきりでコンビニの花火なんかをひっそりして、そしたらもう、夏、完了、でよくない?
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小銭の話をします。
わたしは給食委託会社で正社員として働く管理栄養士で、つまるところ「給食のおばちゃんたちのまとめ役」をやっています。
まとめ役のところには毎日いろんな話が舞い込むのだけど、最近転がり込んできた話に「〇〇さんはわたしと同じ6時間契約のパートなのに30分も残業している!」というのがあった。
残業するためにわざと時間をかけて仕事をしていただの、残業をすると会社の経費を圧迫するから良くないと思うだの、目くらましのエピソードは無限にあるみたいだったけど、根底にあるのは自分より30分多く残業代をもらっているのが気に食わないということらしい。
残念なことにうちのパートさんの時給は最低賃金にちょっと毛が生えたくらいのもので、30分残業したところでもらえるのは約400円。
400円!
今日、他人が自分より400円多くもらうことが、そんなにうらめしいか?そんなに悔しいか?
その400円をわざわざ問題として掲げることで、他人の財布に入るたった400円が気になってしまう惨めさとか、それを本人に言えず社員に(会社の経費を気にいていますふうを装ってまで)チクる卑しさとか、自分の努力による賃金の値上げでなく他人を引きずりおろすことを先行して考えている愚かさとか、そんなものがぼろぼろ露呈していることに、本人は気づかないのだろうか。
自分の誇りや精神性を、たった400円で捨てないでくれ。
せめて、捨てる瞬間を見せないでくれ。
わたしの親くらいの年齢の、わたしよりいろんな経験をされてきたであろうパートさんからそんな話をきくと、こっちが情けなくなるんだ。
ほんとに。頼むよ。
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高校のときの同級生が、今日入籍した。
という連絡を、今この文章を書いているときに受け取った。
素直でまっすぐで、可愛いのに凛とした強さもあって、その分する必要のない苦労もたくさんしてきたであろうその友達が人生を委ねることのできるパートナーを見つけたというのははちゃめちゃに素晴らしいことだし、その連絡をわざわざ個別にくれたこともとても嬉しい。
あー。おめでとう。おめでたい。感慨深い。