雑文集

遊動民の日記。東京→札幌→博多→岡山→東京(イマココ)

もっと、褒め合おう

 

 

ひと、ほめてますか。

 

ほめてなくない?

 

最近、だれほめた?

思い出せないでしょ。

 

逆に、最近だれにほめられた?

思い出せないでしょ。

 

そうなんだよ。我々はほめなさすぎる。

そして、ほめられなさすぎる。

 

お互いほめ合う習慣ができたら、もっとうまくいくと思うんだけど、どう?

 

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わたし、病院給食をつくってるいわゆる給食のおばちゃんなんだけど、今年の2月に会社都合で札幌から岡山に異動したんだよ。

新しい現場で割り当てられた仕事は、病院給食の中でも特に細かい、嚥下食をつくるポジション。

嚥下食は、歯がなかったり、飲み込むちからや唾液の分泌が減ってしまったような、食べるのがうまくない人のための食事ね。

煮こごりのように固めたり、飲み込みやすいようペースト状にしたりするの。

例えば、こんなもの。

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これはゼリー食の八宝菜で、テリーヌみたいに固めてる。

ピンクのが豚肉、緑が白菜とピーマン、赤がにんじん。

色ごとに鍋分けて、おいしく煮て、ミキサーにかけて漉して、固めるための粉入れて、火にかけて冷蔵庫で冷やして、やっと固まるのよ。

この八宝菜は3色にしたから、一連の工程を3回やってやっと出来る。

うまく食べられない人のための食事だから、固さや粘度は結構シビア。手間がかかる上に神経も使う。なかなか骨が折れるでしょ。

その嚥下食をつくるのと同時進行で、ほかにも細かいやることがたくさんある。覚えることもたくさんある。

とにかく、結構忙しいのよ。

 

わたしは、この嚥下食のポジションを、3日間で引き継ぎして独り立ちしたのね。

朝5時始業だから、毎日朝3時半に起きてごはん食べながら前日とったメモ読んで予習して、退勤して家帰ったら今日とったメモまとめて復習して。

引っ越しからも着任からもそんなに経ってなかったから、生活も人間関係も手探りしながら。

独り立ちしたってすぐに100%できるわけじゃないから、どうしたらうまくいくか、どうしたら効率良くなるか考えて、考えたら翌日試してみて、また考えて、結果1週間で満足のいく形でルーティンに落とせた。

 

ちょっと、自分やるやん、って思った。

 

でも周りも上司もノーコメント。

真面目に考えて早めにマスターしたつもりだったし、おかげでシフトにも余裕が生まれたはずなんだけど、早いとも遅いとも、要望も言われなかった。

だから、わたしが思うより簡単なポジションなのかな〜、なんて思ってたんだよね。

 

でもある日、わたし役に立ってるのかなってふと疑問になってしまって。

わざわざ北海道から岡山に大金かけて来て、誰でもできる仕事してるのって全然意味なくない?と思って。

友達も住み慣れた環境も手放して引っ越して来て、誰でもできる仕事してるわたしって何?って。

そう思ったらすごく辛くなった。

全然頑張った意味ないじゃん、存在価値ないじゃんって。

 

で、聞いたんだよ、先輩にさ、わたし役に立ってます?って。

そしたら、いやいや、もうすごく助かってますよ!上手に作ってくれるし!って言われて。

 

え?なら早く言えよ。

 

もし独り立ちしたときに、早いね!って

嚥下食作れたとき、上手にできたね!って

いつも助かってるよ!って、言ってくれてたら、

 

わたしつらくならなくて済んだし、モチベーションもあがってたよ

そしたら仕事も、もっと早くから明るく楽しく取り組めたじゃん…

 

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そう思って、最近はわたしからがんがん人をほめるようにしてる

 

でもいざほめようと思うと難しい

ぱっと言葉がでないときがある

 

だから会話におまけできるような、手軽でわかりやすい語彙をストックし始めた

 

おっけー!

ばっちり!

最高!

天才!

 

これはこうでいい?と聞かれたときに、そうです、と一言だけで済ますんじゃなくて、

 

おっけーおっけー!って言ってみる

そうです、ばっちりです、って言ってみる

そうです、天才!って言ってみる

 

なんか安心しない?

 

これでいいのかな、合ってるかなって不安が、ほめ言葉ひとつで消えるんだよね

不安が消える、間違ってない、自分のしたことに意味があるって思えるの、めちゃめちゃ自尊心が高まると思う

 

 

だからもっと、みんなほめあおう。